今日、昨年死後すぐに発表になったあの自伝を読み終えた。
Ⅰは発売直後に買っていたが、読まずにおいていたのだ。最近になって読み始めると、めちゃくちゃ面白い。最初から最後までどこもだれることなく面白かった。この面白さをもっと深く理解し、味わいたくで初めてアップル製品を購入したくらいだ。i-pod nano(第六世代)だ。
(それまで私の持っていた携帯音楽プレイヤーは、パナソニック製のMDウォークマン(?)だ。主にジョギングの時と布団の中でちゃんと使っていた。これも顔が薄くて、あんまし勉強もできないが宿題は一応やってくるけどちょいちょい間違ってる、クラスで目立たない無表情気味な女の子のようでかわいかったのだが、うーん多分今後疎遠になっていくだろうな、ごめんよ)
世界を変えた男の伝記なのだから面白くないはずがないのだが、それはコンピュータの歴史物語でもあり、デジタル的なことに疎い私だからこそ、ジョブズの「人間性と技術の分岐点に立つ」男、理系と文系の交差する場所にいるキャラクターに興奮した。そしてその男が起こした革命は死ぬ直前まで成果を挙げ続けたんだから、すごいよね。
最近、なぜかよく本を読んでいる。そういう気分というか周期なんだろう。
他に読んだ本についてもコメントしていきます。
「本への扉」(宮崎駿)
これは岩波少年文庫のおススメ50冊の紹介と、あとエッセイも収められている。この6年間、息子に沢山絵本を買い与えてきた。多分僕の小さい頃の100倍まではいかないかもしれないが、とにかくすごい数だ。で、もうすぐ小学生なので、そろそろ児童文学を買い与えたいと思って、読んでみた。古い本が多いので、僕も昔読んだものもある。これをガイドにして、まずは「西遊記」あたりから攻めようかと思っている。
また、エッセイでは、東日本大震災、原発事故を「資本主義の終わりの始まり」と断じている。彼のこれまでのアニメ作品のメッセージからして、特に驚くことではないかもしれないが、彼のこうした思想は、日本人に大きな影響を与えているのではないだろうか。特に若者たちに。
「天才伝説横山やすし」(小林信彦)
これは、なんか横山やすしが気になったから買った。
関西では今だ「やすしフォロアー」が大勢いるなあ、と感じることがあったので。特に50~60代の人たちに。昔東京にいたころ、タクシーにのると運転手が田中角栄そっくりのしゃべり方で延々演説されつづけたことがあったけど、あれに近いのかな。どちらもある世代にとても愛され、キャラ、しゃべり方、思考パターンまで真似されている。横山でいうと、感情を爆発させ攻撃的なしゃべりをするかと思うと、最後(少し言い過ぎたかと気弱になって)自分をボケにして、落とすというパターン(ここに枝雀のいう緊張と緩和が生まれる)。この本ではあんまりそんなことは書いてなかったので、ちょっと期待外れだったのだが、漫才の頂点に上り詰め、漫才ブームの先頭にたった時代(僕は小学3年生でした)と晩年の悲惨な時代を、対照的に描いている。僕にとっても「やっさん」は大きな存在だったのかもしれなと、思った。
「俗物図鑑」(筒井康隆)
これはおもろいです。時代を風刺しているテーマで書いてるように見せかけて、だんだん無茶苦茶になっていくドライブ感がすごい。ロックだ。中高生の頃、筒井作品はいろいろ読んでいたが、もしこれを読んでいたら、もっとオカシクなってたんじゃないかと思うくらいキケンだ。
「小澤征爾さんと、音楽について話をする」(村上春樹)
新刊。これは正直わからんかった。クラシック音楽のCD一枚、まともに聞いたことないですから。とにかく村上作品は出るとすぐ買うことにしているので、買った。内容は分からんので、とにかく二人の間の空気というか関係だけを読み取って楽しもうとしたが、しんどかった。
「哀愁の町に霧が降るのだ」(椎名誠)
これは読み物としておもしろいよ。その前に「わしらは怪しい探検隊」も読んで傑作だったので、買ったんです。どちらも、その後「自伝的小説」「探検隊もの」として、シリーズ化される第一作なのだ。一作目はおもろい、だからシリーズ化されるという法則ですね。(ロックバンドもデビューアルバムが一番いい、といった人がいましたが、これは例外が多そうだ。)
「ブランコの向こう側」(星新一)
このへんで、気づかれる方も多いと思うが、古い本が多い。なぜかというと、アマゾンで買うと大抵1円(実際は手数料含め251円)で買えるからだ。「本とCDは定価」という思い込み(再販制度)から解放されたのが嬉しくて、読んでない名作を掘り起こしているマイブームなんです。
この本は「BRUTUS」の本屋の特集で紹介されていたので、買った。クールで辛辣な社会風刺が多い星作品だが、ここでは「人生」など少しウェッティーなテーマを扱ってるので、ハッとした。少年向けの読み物風なので、読みやすいです。
「ペットサウンズ」(J・フジーリ・村上春樹訳)
昨年末に文庫化されたので、買った。これは小澤本と違って、面白かった。ビーチボーイズの作品の素晴らしさがよくわかる本です。スティーブ・ジョブズはボブ・ディランとビートルズ(特にジョン)が好きだったようだが、ブライアンはどうだったのだろう。活躍した時代もそうだが、完璧主義や親に対するトラウマなど共通点は多い。僕は村上春樹と山下達郎の影響で、ビーチボーイズが好きになった。けど、僕らの世代で好きなやつ、あんまりおらんやろな。
「夏への扉」(ロバート・A・ハインライン)
1956年発表のアメリカのSF古典。僕は山下達郎で同名の曲があって、それが大好きなので買った。あと面白い読み物が読みたい、という気分だったので。面白かったよ。時間SFという科学的なテーマと「明日はきっと良くなる」と信じ行動する文学的なテーマがうまくミックスされていて、それがすばらしいのだが、これもスティーブを思わせる。ほかにも主人公が会社や特許を奪われるという内容も。
時間SFでいうと、今日、13年後の息子に手紙を書いた。タイムカプセルに入れ、幼稚園で保存し、13年後の同窓会で開けるのだそうだ。なぜだかわからないが、書いていて涙が出てしょうがなかった。きっと、もしできることなら息子と同じ年になって、会話したい、本当の友達になりたい、と思っているからだろう。タイムマシンに乗ってでも。
「小説家という職業」(森博継)
これは前に「自由をつくる、自在に生きる」が面白かったので、買った。本屋でうろうろしていると偶然目にとまり、「自由とはなんだろうか。それは義務のない状態のことではない。なんでもしてよいと放り出された状況のことでもない。自分の思い通りになること・・・これが『自由』なのだ。(中略)これに気づくことが、人生をよりよく生きるポイントなのである。」という文章に衝撃を受けたからだ。それに比べたら、「小説家~」はやや下世話な話だ。ただ作者が建築学の大学助教授をしながら、ティーンの少女向けのSF小説でベストセラーを連発し、ぼろ儲けした(で、自由になった)という経歴に興味があったし、上岡龍太郎のように理屈っぽくて、単刀直入に本質を切るような書きっぷりもいいです。
以上、ながなが書いた。なんか、面白い、面白いと書いているが、最近こんなにまとめて本を読んだこともなければ、その本が次々「当たり」(もう一回読んでもいいなと思えるもの)であったこともなかったので、(「自由~」のようにふと手を伸ばして、知らないヒトの本を買うこともまずない。)これは、僕の側でなにかあるな、と感じて振りかえりたくて書いてみた。僕の心は今きっと「目に映る全てのものは、メエッセエ~ジイ~」(byユーミン)状態なんだと思う。
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